牛来コラム
出逢いってすばらしい
さまざまな出逢いを通じて、得たり感じたことを、牛来ならではの視点で書き綴るコラム。 仕事上だけでなく、人間として大切なメッセージを伝えています。
2008.01.09
■守りと攻め
(株)やまだ屋の中村社長と初めてお逢いしたのは、昨年の夏。
それから4ヶ月足らずの今年元旦、【黒もみじ】の発売が実現した。
やまだ屋といえば、新ブランド「RAKU山田屋」を立ち上げ、和洋折衷の新商品を発売したり、イタリアレストランとコラボしてこれまでの”もみじ饅頭屋さん”には見られない斬新な店舗展開をするなど、先進イメージ。業界第3位という実績をもち、老舗としての信用も厚い。
SO@R「モノづくりプロジェクト※」会議で竹炭入りの黒いもみじ饅頭【黒もみじ】の企画があがった時、メンバーの頭にはそのコラボレーション先として、やまだ屋が真っ先に浮かんだ。
しかし、面識もコネクションも何もない。
まずは関係のありそうな人に企画を伝え、繋いで頂いてどうにか面談のチャンスを得た。
・・企画書を抱え、宮島へ。
先進的なイメージとは対照的に、やまだ屋の事務所は、宮島有の浦店の裏にひっそりと設けられた地味な佇まい。贅を慎み、その分、商品に還元している。そんな堅実な印象を受けた。
そして、中村社長と一対一での対面。
黒もみじのイメージ、黒ブームの背景、身体によい竹炭の効能を企画書に入れプレゼンに望んだが、限られた時間の殆どを、私はこれまでのSO@Rの活動や、広島を元気にしたいという思いをただ一心に伝えていた。
今日初めて逢ったばかりである。簡単に信用してもらえるとは思っていなかった。我々がどこまでできるか、そんなこと、やってみないと実証できない。いくら口で説明しようと、今この時点で、成功の確証は無いのだから断られても当然。それどころか、竹炭入りのもみじ饅頭なんてとっくに考えてたよ!そう言われたら終わりだ。
そこまで想定していた。
それが、その場でフードフェスティバルでの試験販売を即決。結果がよければ商品化するとも約束してくれた。こちらが望むインセンティブの契約も可能だという。
「やったー!」喜びをかみ締めつつも、初めて逢ったその日に、そこまでの決断をしてくれた中村社長の経営者としての器に、私は心から感謝すると同時に、敬意を感じた。
新しもの好きの、派手な印象はない。
押しの強い、営業マンタイプでもない。
だからといって、ただ実直なだけの職人タイプでもない。
【黒もみじ】元旦発売を機に、大晦日の0時にカウントダウンの販促ミニイベントをやりましょうという提案には、「その時間帯の人の流れを考えると、イメージができない」「商店街全体のイベントであればやるが、当社だけが目立つことはしない」等、自社のみならず街全体を考えた適切な判断をくだす。
守るべきと、攻めるべきを心得ている人。
そんな印象である。
これまでにない新しいモノに取り組む時、新たな一歩を踏み出す時、多くの人がその失敗と成功をイメージして躊躇する。
そのイメージのどちらが正しいか、そんなこと、誰にもわからない。
答えは、やってみるしかないのだ。
それでも、「いける!」という自分の直感を信じて、進むべき時は進む。ピンと来なければやめる。
そんな経営者の姿勢が、きっと、事業を成功に導くのだ。
出逢いに感謝。
今年も人との出逢いに、多くを学ぶ。
※SO@R「モノづくりプロジェクト」とは:
広島のクリエーターなどの有志が、地域の「人」と「企業」と連携 して、新商品の開発や新しいモノづくりの仕掛けを推進していくプロジェクト。
【gorap語録】
決断は、情報と経験、そして最後は、直感でくだす。
2008.01.23
■「幸せ」って、
休日にオフィスでデータを探していたら、もう一年以上も前に撮った両親の写真が出てきた。そういえば昨年の盆に会った折、「あの時の写真は、いつくれるんね?」て、言ってたっけなぁ。。
仕事の手を止め、手元にあったポストカード用紙に一枚プリントし、「いつもありがとう」とひと言入れて切手を貼って投函した。
そのたった一枚の葉書がよほど嬉しかったのか、すぐに母から電話がかかってきた。
「写真、ありがとね。○○さんに見せたら、『ええ娘さんじゃねぇ、あんたは幸せじゃねぇ』言うて涙を拭きよったよ」
普段は、たいした親孝行もしたことのない、自分本位なムスメなので、些細なことをしただけでそんなふうに言われて気恥ずかしかったが、「幸せじゃねぇ」と言われて喜んでいる母の様子を見ていて、ちょっと嬉しかった。
今年2月には、80歳を迎える母。
若い頃には、地域に子供会をつくったり、PTAの副会長を務めたりする活発な人だったが、ここ10年くらいは父の運転でしか出掛けることもなく、その父に言わなくてもいいことまでチマチマ言っては夫婦喧嘩の火をつけてしまう、ただの我侭おばあちゃんである。
そんな母に、10年前だったら腹が立って小言を言ったりしたものだが、最近は「よしよし」と許せるようになってきた。
いい年だし、そう先は長くなかろう。少々の我侭は聞いてあげようという思いも確かにある。
でも、時間が取れれば、母の愚痴でも聞きに、実家に帰ろうかな?と思えるようになったのは何故だろう。
ただ話を聴いてくれる人が傍に居る、その幸せが、本当の意味でやっとわかってきたからだろうか。。
【gorap語録】
「たったそれだけのこと」から、やってみる。
2008.02.06
■選択の基準
人生は大きな大きなあみだくじ。
小さな選択から、運命の分かれ目ともいえる大きな選択まで、どちらに行こうか、選択の連続である。
それが、迷うことなく「こっち」という時ばかりならいいけれど、悩むことは少なくない。
やるべきか、やめとくべきか、悩んだことは数知れないけれど、その選択の基準は、一つ。
「やりたいけど、やめとこうか」と悩んでいるのか、
「やめたいけど、やろうか」と悩んでいるのか。
どちらなのか、自分の心にじっと問いかけてみる。
二つは似ている。
だから迷うのだ。
しかし、似ているけれど、二つは、違う。
「やりたいけど」が先にくるのか、
「やめたいけど」が先にくるのか。
一切の理屈は考えず、自分の気持ちに素直に耳を傾けてみる。
机上で、リスクを計算してたって、きりがない。
本音はどちらなのか。
前者であれば、踏み出せばいい。
後者であれば、やめればいい。
それがどちらなのか、本当はあなたにはわかっているはず。
【gorap語録】
踏み出すも勇気。やめるも勇気。
2008.02.20
■どこでもやれる力
広島SOHO'オフィスを立ち上げSE(システムエンジニア)が身近に居る環境となった当時、(失礼ながら、)ちゃんとコミュニケーションのとれるSEが居ることに驚いた。
「SE=コミュニケーション下手」m(__)mという、それまでの私の勝手なイメージが、ガラリと変わったのだ・・・。
このたび、オフィスに入居していたSEの一人が本を出版し、送ってもらった本を読み進めながら、そんなことを思い出した。
『SEのための「どこでもやれる力」のつけ方』
-管理者としてもフリーとしても大成できる自立と協調の極意
野口和裕【著】1,980円(税別)技術評論社。
SE向けだが、独立するために何が必要なのか等、著者の経験を踏まえて書かれており、主に若手ビジネスピープルにきっと役立つ内容。
私のような素人にも読みやすく、また、「育成」という観点からも、参考になる点が多い。
例えば・・ホワイトボードを使ったコミュニケーション。
ホワイトボードに書くということは、「あなたの意見は大切」「しっかり記録に残す価値がある」と発言者を認めていることになる。また、話し合いが衝突し続けたような時、互いの意見の確認、納得に役立つ。
そして起こった不思議な現象・・
そうしていると、それまでは右と左に分かれて睨み合いの雰囲気だったものが、いつのまにか双方とも身体をホワイトボードに向き合わせる形となった。つまり、肩を並べて座る形になり、それと同期するかのように、刺々しい雰囲気が次第に和らいだという。
「頷いたり笑顔を作ったりするのが苦手ならば、ホワイトボードで"信頼を築く"という方法があります」と著者。
SEを育成するポジションも経験する中、表現の苦手なSEを相手にきっと著者も悩みながら、苦労して導いてきたのだろう。そこから得たノウハウを一冊の中に、(SEらしく)整然とまとめられた本だと感じた。
コミュニケーション力。
それはSEに限らず、独立すれば必ず必要とされる力の一つ。
(今、私の周りに居る)独立系SEたちと出逢って、私の勝手なイメージが変わったのは、思えばあたりまえのことである。
それができないSEは、独立してやっていけるわけがないのだから・・・
【gorap語録】
笑顔がヘタなら、ノウハウを身に付けよう。
2008.03.05
■門出の時
広島SOHO'オフィス設立当初から7年間、共に成長してきた起業家の仲間が、このたび晴れて自社オフィスを開設し共同オフィスを出ることになった。
7年前、3階の1フロアに(私を含め)10人からスタートした入居メンバーは、7年の年月を経て入れ替わり、現在3フロアに20事業者が入居する中、設立当初から居るメンバーは、ただ彼一人となっていた。
(有)エス・アイ・エス代表取締役岡田茂彦。
オフィス設立当初のメンバーたちからは、「さるちゃん」という愛称で親しまれるナイスガイ。
入居当時は、まだ個人事業者で、SE(システムエンジニア)としてクライアントの社内に常駐する仕事が少なくなかったことから、オフィスに来られる日は殆ど無いにも関わらず、掃除当番のためにわざわざ休みの日に出て来たり、歓送迎会の幹事を引き受けたりetc、オフィスの仲間たちとの人間関係をしっかり築いてきたハートフルな人間である。
そのさるちゃんが、頼もしい6人の社員たちを従え、いよいよ引越しという日。土曜の午後で、たまたま3階では私一人が仕事をしていると、最後の荷物を運び出す前に、彼がたった一人、4階から降りてきた。
「感無量」
そう一言。7年前に居た(今は他のSEのブースとなっている)その場所をじっと見つめる姿を見て、思わず胸が熱くなった。
オフィス設立の時。
入居メンバー全員で汗を流しながらフロア掃除をして、
知人にトラックを借りて中古の机や椅子や書棚をもらって来て、
パーティションを作って、
時には皆で飲みに行って、ラーメン食べて、
時にはぶつかり合って、、
思い出は尽きない。
これまで、多くの仲間たちが入居し、多くのメンバーが入れ替わり、出逢いと別れを繰り返しなから、共に成長してきた。
新陳代謝は必要だし、新たな門出を喜ぶ気持ちに偽りは無い。
「これで最後じゃないんじゃけぇ。そう遠くもないんだし、私も近々、新オフィスに顔出すね♪」そう笑顔で伝えたけれど、
「じゃあ、」と言ってさるちゃんが出て行き、目の前のドアが閉じた。 その瞬間、涙が一気にあふれ出した。
今日だけは、オフィスに一人で、よかった。
【gorap語録】
涙の数だけ、人は、成長する。
2008.03.19
■事を成す
どんな世界でも、何かをとことん、一所懸命にやっている人は、ただ見ているだけで伝わってくるものがある。
今日(3/16)は、弊社員の西本が趣味で続けているフラダンスの発表会。
リーガロイヤルホテルのロイヤルホールに300人を超える人が集まり、食事をとりながらのリッチな観賞会である。
プロさながらの舞台メイクと、華やかな衣装に身を包み、華麗に踊る50名余の出演者たち。そして彼女たちの先生は、まるでハリウッド映画の主演女優のように、ひときわ美しく輝いていた。(とても同年代とは思えない!)
土日や平日の夜などにパーティ等に呼ばれて「営業」することもあるという彼女たちの踊りは、趣味の領域を超え、素晴らしかった。
踊りだけではない。8000円のパーティにこれだけの人を集めたというそのパワーにまた、感じるものがある。
きっと苦労もあったろう・・・。絶えず笑顔で、しなやかに踊る彼女たちの姿を見ていると、つい、その背景を思い、目頭が熱くなった。
ハワイと日本を行き来しながら自身も常に上を目指し稽古を積み、この発表会を迎えたというその美しい先生は、毎年そうしているように、今年も二部に出演する生徒全員の衣装を、自分で作ったという。
最後の曲が終わった後、生徒や関係者からの花束を、泣きながら受け取っておられる先生の姿に、思わずもらい泣きしたのは、私だけではなかった。
事を成す。
その経験をした人間だけが解る、涙がある。
それは、周囲への感謝や、成功の喜びや、終わったことへの安堵感や、努力した自分への慈しみ等など、いろんなものが入り交ざった、自分でも説明できない、不思議な涙。
ただ間違いないのは、その涙と共に身体の中心から込み上げてくる、何とも言えないあたたかな充実感を、身体いっぱいに感じていること。
【gorap語録】
大きな事でなくていい。一つ、何かを成してみる。
2008.04.02
■積み重ね
中国新聞朝刊の広島経済欄に「わが夢」というコーナーがある。
ここに3月26~29日と4月1日の5回にわたり、これまでの活動を連載頂いた。
「これまでは、広島経済界の大手の経営者に登場頂き、生い立ちから現在までのサクセスストーリーを紹介することが多かったのですが、このたび、牛来さんをクローズアップすることで、SOHOの皆さんのことも浮き彫りになるような、そんな記事になれば・・・」と、担当の記者は私に言った。
なんでも彼女が7年前に入社して以来、新聞記事や先輩記者の話から、我々の活動をずっと見守っていたのだという。
7年前といえば、広島SOHO'クラブ設立直後である。月に一度の交流会を開催し、ふだんはネットで交流を続けながらも、やはり逢いたい時にいつでも逢える拠点が必要と感じ、広島SOHO'オフィスの設立を進めていた時期である。
広島SOHO'オフィス設立後は、SOHOコーディネーターの必要性を感じ、(有)SOHO総研を設立してSOHOプロダクション広島を開設。「ひろしまSOHO博」の自主開催、創発集積地SO@R(ソアラ)開設準備室設立etc、途切れることなく活動を続けてきた。
本人にしてみると「必要と思うものを一つひとつコツコツカタチにしてきただけ」で、「わが夢」のような威厳あるコーナーに登場するような器ではない。
しかし、そこに多くの仲間たちが関わってくれて「コツコツ」やってきた小さな積み重ねが、大手企業にも相等するような影響をも与える可能性を生んだことを、「わが夢」掲載を機に思う。支えてくださった皆様に心より感謝している。
【gorap語録】
大小に関らず、可能性は、必ずある。
2008.04.16
■初心
「久しぶりに戸外で見る夜桜に、感動しました」
広島SOHO'クラブのお花見に、初めて参加したかたからメールを頂き、ハッとした。
クラブでお花見を始めた当初は、雨に見舞われて室内で開催したり、早すぎて花が咲いてなかったり、なかなか好天満開に恵まれなかった。
満開の夜桜の下でのお花見が初めて実現した時は、その美しさに感動し、桜を見上げ、しばし佇んでしまったものだ。
それがここ数年はずっと、好天満開に恵まれ、そこに桜があることに、慣れてしまている自分に気付かされた。
確かに、主催者なので、準備や場所取りのため朝からバタバタするし、料理やお酒は足りているだろうか、皆が楽しんでいるだろうかなど、桜を愛でるどころではなく、翌日の後片付けの心配をしたり、気分的に落ち着かないのも仕方がない。
しかし、数年前、初めて夜桜の下でのお花見が実現した時に、
「ああ、なんて美しいんだろうー!」
と感動したその時の気持ちが、今、薄れているのは間違いない。
まぁ~綺麗ね、と感じるものの、「感動」とは違う。
それを、一回りも年上の男性から「感動しました」という言葉を頂き、その純粋な感覚に、ハッとさせられたのだ。
初めて感じたその感動・・・その新鮮な感覚を、年を経てもちゃんと思い出しながら、いつまでも、ピュアでありたいな、、、
そんなことを感じた、今年のお花見だった。
【gorap語録】
時には立ち止まって、空を見上げてみよう。
2008.05.07
■デビュー
息子が二十歳になったお祝いに、2人でビストロで食事をした。
ホテルのレストランでリッチなディナーをとも思ったが、きっとここなら、ちょっと奮発すれば後で息子だけでも利用できるだろうと思って選んだ店。
「薄汚い格好して来ないでよ」と念を押しておいたので、黒のジャケットのせいか少し大人びて見える息子と2人。なんだか気恥ずかしくて足早に目当ての店へ。
席に通されるなり店長に「息子が二十歳の誕生日なんで・・」と聞かれもしないのに説明し、まずはスパークリングワインで乾杯。
気軽なビストロではあるが、ワインセラーがあり、ソムリエの居る店。
最初からビールがいいと言う息子に、せめて1杯目だけはワインをと勧めたものの、なかなかグラスが空かない様子。
(既に私は2杯目が空に)
「ビールを頼もうか?」と息子に尋ねているところに店長が・・。
「お母さんと同じワイン(重たい赤)は飲みにくいと思いますが、飲みやすい白ワインもありますよ?」と声をかけてもらったので、息子に合いそうなワインを選んでもらった。
少し飲んだところで「いかがですか?」と店長。「よくわかりません」と答える息子に、「今からワインを始めれば、数年後には同年代の人に教えてあげられるようになりますよ」と店長。
料理が終わる頃、「いかがでしたか?」と店長に尋ねられ、またしても「よくわかりません」と答えた息子に、「わかりませんでは答えになっていませんね、よいのか悪いのか、自分の感想をちゃんと伝えることは大事なことですよ」と、穏やかな口調で諭した、その伝え方がとても上手なので、さすが接客業の人は違う、と関心させられた。
美味しい料理に、好みのワイン、そして、人柄が感じられるもてなし。
店を出て、息子が言った「ありがとう」の言葉に、きっと深い意味は無いとは思うが、二十歳の記念にワインデビューし大人の会話を経験した夜のことは、きっと彼の記憶のどこかに留められたのではなかろうか。
いい店に出逢えてよかった。また一つ、足を運びたい店が増えた。
【gorap語録】
店の顔は、人がつくる。人が、伝える。
2008.05.21
■信頼関係
就職情報紙の取材を受け、女子大生2人と対談をした折、
「人を巻き込むには、どうすればいいのですか」と質問を受けた。
学生にしては深いこと聞くなぁと関心しつつ、一瞬、答えに困った。
だって、一言では答えられないのだ・・
まずは自分を理解してもらう、やりたい事の目的を伝える、協力して欲しい内容を伝える、自らが率先して汗をかく、その人を大切にする、感謝する、感謝していることをちゃんと伝える等など、いろんなことが頭を巡る。
それ以前に、やろうとしている事は本当に必要なことか、独りよがりではないか、人を巻き込むべき事かどうか等など、客観的に見つめてみる必要もある。真にやるべきことであれば、人は必ずついてくる。また、真に必要な事だと自分に自信があれば(自分を信じていれば)、人への伝え方は自ずと説得力を増すし、自ずと感謝の気持ちも溢れ出てくる。
後になって、もう一つ大切なことを思い出した。
それは、自分を信じるだけでなく「人を信じる」ということ。
誰だって、自分を信じていない人のために、本気で力を貸そうなんて気にはならない。しかし何の迷いもなく、自分を信じ、任せてくれる人に対しては、こちらも信じて精一杯の事をしようという気にさせられる。
この「人を信じる」という行為は、実は難しい。
だって、探したって保障はないのだ。多くの人が、裏切られたくないという感情が先に働き、予防線を張ってしまう。
「万一、あなたに裏切られたとしても、本望」と、いざという時には腹をくくり、自分の直感を信じて人を信じる人のみが、真の人間関係を築き、多くの人を巻き込んでいく。
多くの出逢いから、教えられたことである。
【gorap語録】
自分から、人を信じる潔さが、味方をつくる。
2008.06.04
■イケル感覚
経験するほど、敏感になる。
何かというと「この仕事がうまくいくか、どうか」という時の「直感」のこと。直感というとなんだかいい加減に聞こえるかもしれないが、要は「先見性」とか「経営センス」のことである。
先日、大学で「SOHOの可能性」をテーマに講演させて頂いた折に、【黒もみじ】の商品開発の話をしたところ、学生から質問を受けた。
「(初期費用をもらわずに)成功報酬で仕事をして、もしうまくいかなかった時、どうするんですか?」
迷わず、「これはイケル!と思ったものしかやりません」と即答した。
経営者って、敏感だ。
一瞬、一瞬、小さなものから大きなものまで、全て自らが決断を下し、結果は全て自分の責任として返ってくる。
だから、「やぁ、だめだったよ~」では済まされない。
一瞬一瞬、その判断が、命取りにもなりかねないのだ。
シビアに、誰よりも広く深く考えて、事を進める。
日々この繰り返しをしているから、自ずと判断力が、鍛えられる。
では、何を基準に判断するか・・・。
過去のデータや周囲の意見等、出来る限りの情報は集める。
しかし、既にそれらは過去のものである。
我々が今、やろうとしているのは、これまでにない、新しい仕組み、新たな商品である。誰にも先はわからない。
時流は?ターゲットが求めているものは?話題性は?人を惹きつける名称か?必要な人材は揃っているか?販路は明確か?等など、様々な要因を考え、様々なケースを想定し、最後の最後は、「これはイケル」という自分自身の直感を信じて進めていく。
誰にも先のことはわからないのだ。
だからこそ、ほんの少しの不信にも、経営者は敏感である。
わずかな疑念が生まれたら、或いは、理由は無いけど何故か事が進まない感覚を感じたら・・・。そのたった小さな事象を、経営者ならば見逃さない。
フィーリングはバッチリ、タイミングもよしでも、スタートしようとしたら何故か邪魔が入る。例えば、そんな時は、やめるべき時である。
「イケル」感覚を知っている人は、そうでない時の感覚も知っている。
進むべき時は全てがトントン拍子に進んでいくが、そうでない時は・・・。
シグナルは「違和感」。それを感じたら進むべきでない。
【gorap語録】
たくさん経験し、自分自身に耳を傾ける。
2008.06.18
■繋がり
4年以上も前に、仙台で講演させて頂いた折に名刺交換したかたから、突然のメールが届いた。
「先日メール頂きました『スキルミガキ』、メルマガにて触れてみました。事後連絡で申し訳ありません」
早速バックナンバーを覗いてみると、「あとがき」に『スキルミガキ』について一言コメントと、URLがリンクされてあった。
講演を機に一度お逢いして以来、特別な付き合いをしてきたわけではない。ただ時折、一方的に(しかも一斉送信で)、こちらの近況報告をしていただけ。細いけれど長い繋がりが、こうして思いがけず嬉しいメールを頂くきっかけとなった。
また、もう6年も前に取材を機に知り合った広島の元気な起業家からは「有料掲載について話を伺いたい」とメールを頂き、会社を訪問したところ、即、年間契約を頂いた。
同じ広島に居ながら、彼の活躍ぶりは見聞きしていたが、取材以降、会う機会がないままになんと6年ぶりの再会である。
「縁って、自分が続けようとする限り切れることはないのよ。"自分が続ける限り"ね」
まだ私が販促プランナーとして仕事をしていた頃、テレビ局の営業をしている女性から聴いた言葉を、ふっと思い出した。
自分が続けようと思う限り、その人との付き合いは続いていくのだ。
その時、彼女の真剣な眼差しを見ながら、胸の奥に刻み込んだこと。
10年以上も経った今、その繋がりを、体中で感じている。
【gorap語録】
人との関係を、決めているのは自分。
2008.07.02
■ADC
一昨年、富山市を訪れた。
目的は、成田空港第一ターミナルのパブリックアート「SILENTZOO」の作者として著名な、はせがわさとし氏。
はせがわ氏に街をぐるりと案内頂き、驚いたのは、富山市=「ポスターのまち」として、明確なアピールができていることである。
「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」の開催。街のあちこちにポスター塔を設置し、地元クリエーターたちの作品をそこかしこに掲示。
大きなビルの側面に、垂れ幕ほどの大きなポスターをドドーーンと掲げるetc。
富山"県"全体の人口は約110万人、広島"市"と同じくらい。富山市内をぐるりと車で周った感じでは、(私の出身の)岩国市くらいの大きさ。
そんな小さな街が・・・である。
車窓から公設美術館のショーウィンドウに貼られたポスターを指差し、「以前は中央の有名アーティストがつくっていて疑問を感じていたが、何度もアピールしてやっと近年は、地元のクリエーターが採用されるようになった」と、熱く語る、はせがわ氏。
実は、はせがわ氏は、「富山ADC」の仕掛け人でもある。
「ADC」とは、アートディレクターズクラブの略で、クリエイターたちの課外活動とも呼ばれている。クリエーターが立ち上げ、自主運営する組織で、活動は年1回の作品審査「ADC賞」(新聞広告、ポスター、CM、Webなど)の実施と「年鑑」の発行。
ADC賞の審査は地元のしがらみを避けるため、中央や他地区のクリエーターが行う。これによって若手や埋もれた人材が発掘されるのが魅力。ADC受賞作品を載せた「年鑑」は、クライアントや代理店、中央のデザイナーらが着目する。知名度アップや制作依頼時の参考などにもなっており、その価値は高い。
年鑑の制作や審査、表彰等にかかる費用約200万円は、クリエーターの参加費と、自分たちで集めた協賛金で賄っている。
これを地方では初めて富山が実施し、既に12年間、開催し続けている。
クリエーターと街が活かされあう素晴らしい関係。それを築いてきた
はせがわ氏のパワーに圧倒された、その日。
あれから2年・・・
広島のクリエーターたちが動き始めた!
クリエーターによるクリエーターのためのコンペディション
“広島ADC”http://www.hiroshima-adc.com/
旗をあげたROCKETSの納島氏を中心に、独立系クリエーターや各種広告代理店、企画会社等に勤務するクリエーターたちが集まって盛り上がっている。
関心のある方は、ぜひ、連絡してみて欲しい。
【gorap語録】
動けば、きっと得るものは、ある。
2008.07.16
■光
小学6年生の時、姉と二人で新聞配達を始めた。
自転車の後ろにダンボール箱を結わえ付け、新聞をギュウギュウに詰め込んで、グラグラ危なっかしい足取りで新聞を配り終えた帰り道。
急な坂道を自転車を押して自宅に向かう私の背中に、今、登ったばかりの太陽が燦々と射し込むのが何とも言えず清清しくて、何度も何度も振り返り、「ああ、気持ちいい!」と、陽の光を体中で受け止めたその時の感覚を、今でも鮮明に覚えている。
当たり前のことだけど、「光」というのは、宇宙が「闇」だからこそ見えるもの。もし宇宙が明るければ、光が射し込んでも見えないし、夜が明け、朝日が昇るその瞬間の、言葉にならないこの清清しい感覚は、感じることもできないのだ。
・・・昨年は、本音を言うと、苦しい時期だった。
目指すビジョンがなかなか形にならない。形どころか兆さえ見えない。
一所懸命に動き回り、思いついたこと、できることは全てやり尽くし、それでも前へ進まない。大きな大きな岩が目の前へ立ちふさがり、どんなに押しても引いても、ビクとも動かない。
長い長ーーーいトンネルの中からなかなか抜けられない・・・。
そんな感じだった。
それがある時、これまでの多くの出逢いに導かれ、ようやく小さな光を感じた。その瞬間、その大きな岩が、グラッと揺れたのを感じた。
長い長ーーーいトンネルの先に見えた、小さな光。
その小さな光は、私に揺らぎない自信をもたらしてくれた。
真っ暗なトンネルの中で苦しんだからこそ出逢えた光。
それは、新聞配達の帰り道に感じた、すがすがしい陽の光とも少し似ている。
これからが本番!道は決して平坦ではないけれど、光が見えた今、あとは、前を向いて進むのみ!この、進む感覚があればどんな大変な事も苦しみではない。
ここまで導いてくれた多くの出逢いに感謝し、そして、小さな光を、ありがたいと思える経験を与えてくれた、あの暗闇に感謝したい。
【gorap語録】
闇があるから、光が見える。
2008.08.06
■ツキ
「わたし、運がいいんです~」
そうお気楽に語る私の言葉を聞き、急に顔色を変え非難するかのような目つきでその人は呟いた。
「いいですね・・・羨ましいわ・・」
「運が悪い」と自分で言ってしまうとそれを引き寄せていまうから、日頃から意識して「自分はついてる」と思い込むように意識しているのだが、私の言葉が、相手のかたの状況によっては反感を感じる場合だってあるのだ。
反省した。
一方、先日、講演で岡山へ出張した折。
会場までタクシーに乗る距離でもないので、歩くしかない!と覚悟を決め、日傘片手に5分少々。ギラギラ照りつける太陽の下、5分も歩けば汗はダラダラ。暑さで顔は真っ赤。
クールダウンする間もなく、噴出す汗をぬぐいつつ講演を終え、玄関に下りてビックリ!!!
なんと外は、滝のような豪雨なのだ!
ドドドドーーーーっ!と、すさまじい降りっぷりである。
唖然としつつ周りを見回すが、タクシーも見当たらない。
もうヤケクソだ。えいやっ!と覚悟を決め、日傘をさして豪雨の中へ。頭上では、なんと雷まで鳴り響いている。
近道をしようと大きな駐車場を横切ろうとしたところ、大きな水溜りにパンプスのままズボズボ入って行くしかない状況・・・
ピカピカゴロゴロー!!!と猛烈な雷の音に怯えながら黙々と歩く私の目の前に、今度は駐車場の「柵」が・・・!
行き止まりだ。。。
泣きそうな気持ちに耐えながら、結局、遠回りをして駅へ辿り着く。
こんな情けない思いは久しぶりだ。行きは、汗でビショビショ、帰りは雨でビショビショ、なんてひどい一日だろう。
「ついてない!」
コンビニで買ったタオルでブラウスやスカートから下着にまでしみこんだ雨を拭い、ビショビショに濡れた日傘からしたたる雨水が駅の中を濡らさないようにと、軽く絞りながら、ふと、
「まてよ・・・」と、考えた。
この日傘、今年は一度も使ってなかったのに今日はなぜか思い出して持って出て、しかも出張の時にはできるだけ荷物を減らす私が、わざわざこうして岡山まで持って来たのだ。
この日傘のおかげで、そうは言っても、どうにかなったじゃないか・・。
「ついてる」
一人、そう納得して、コンビニで買った紅茶でほっと一息。
最悪の気持ちを笑顔に切り替え、広島行きの新幹線に乗り込んだ。
【gorap語録】
最悪の中に、「ついてる」を探してみる。
2008.08.20
■50年の縁
子どもの目から見ると、両親というのはいつまでも若く感じるものだけれど、気づけば、母は傘寿(80歳)、父は喜寿を迎える年となった。
それに金婚式も重なり、ふだん何もしていない私でさえ、今年は何か特別なことをしてあげなければ!と気合が入った。
プレゼントは何にしよう・・考えるけれど、なかなか思いつかない。
数年前までは、父の運転で夫婦2人どこにでも出かけたり、旅行にも行っていたけれど、最近は父の体調が悪く、運転どころか食事も制限され、老夫婦の楽しみといえば、姉や私や孫たちが逢いに来てくれることくらい。
ふと立ち止まって両親のことを考えてみると、キュンと胸が痛んだ。
そういえば実家の新聞のテレビ欄には、毎日、見たい番組が一目で解るように、赤鉛筆でしっかりと印がしてあったっけ・・・祝いの品は、地デジ対応の液晶カラーTVに決めた。
それと、結婚から50年間の写真を一冊にまとめたミニアルバムを私が手作り。(~~;
土日になかなか休みのとれない子供たちの仕事に合わせ、自営業の姉と私は思い切って平日に休みをとり、老舗の料亭旅館で宴を開いた。
みんなで庭園を散歩し、部屋の広縁からゆっくりと庭園を眺め・・・
大杯で乾杯した後は、食事を楽しみ、記念写真を撮り・・・
精一杯の親孝行を、と、奮発したのは、やはり心の底でいつどうなるかわからない、という思いがあったから。
ミニアルバムの最終頁に、感謝の気持ちを、ひとこと書き添えた。
「お父さんと母さんが出逢って、わたしたちが生まれました。
心から感謝しています。ありがとう。」
【gorap語録】
一つの出逢いから、生まれるものは、大きい。
2008.09.03
■ブロガー
「ランキングを競うのは、どうかと思う」
ブログが今ほど普及してなかった3年程前、新聞社の「ブロガー座談会」の紙面企画に呼んで頂いた時のこと。ランキングを上げる手法にこだわって、さほど中身の無いブログに対して意見した私のコメントである。
いくらWeb上で自由とはいえ、あまりにも目的の感じられないブログが増えてきて、イラっとしていた頃だった。
そんな中、知人が始めたブログが、ランキングトップに!
ただの知人ではない。
広島SOHO'クラブ旗揚げ以来、ずっと、あたたかく見守ってくれている人生の大先輩である。
その人の名は、塩爺(しおじい)。
曲がったことが大嫌い。頑固に信念を貫き、いちがいなクライアントには屈しない。わけ隔てなく辛口のアドバイスも躊躇無くくださり、公私ともに本音で向き合える塩爺の生き方が、私は好きだ。
夫が病気で2年間も会社に行けなかった頃、奥さまの手料理で自宅に招いてくださったことは、決して忘れられない。
ブログ名は、「Shiozyの介護生活」。
あの日、心のこもった手料理をふるまってくれ、私たちの話を聴いてくれた奥さまが、翌年、50代半ばで脳梗塞で倒れ、右半身不随失語症となられた。以来、塩爺は社長業を次世代に委ね、奥さまの介護を何より優先して生きている。
壮絶な介護の日々を、しぶとく明るくユーモラスに書き綴った塩爺のブログは、多くの読者の共感を得、新聞記者の目に止まり、中国新聞に連載するまでになった。その「これがオヤジの生きる道」は、団塊世代の主婦層の多くが指示。塩爺の元には、熟年離婚の相談が届くなど反響は大きかった。
その、オヤジブロガーの感動エッセーが、このたび本になった。
「妻のために生きる」。
なんとも塩爺らしいタイトルではないか。
この言葉を、塩爺だからこそ、タイトルに出来るのだと私は思う。
塩爺には、言葉に負けない器が感じられる。
自分のために始めた事が、結果、人のためになる・・・
そんな生き方を、私もしたい。
【gorap語録】
その経験が、あなたの言葉に重みを与える。
2008.09.17
■ひらめき
「くうねるあそぶ」「おいしい生活。」「愛は地球を救う」etc。
ぱっと目を引く、心に残るキャッチコピーを見つけるたび、そのコピーライターの才能を賞賛しつつその反面、ため息を漏らしていた、販促プランナー時代。
「プランナー」という職業を名乗りながら、柔軟な発想が出来ない、アイデアが沸いて来ない・・・心の底で、そんな自分にコンプレックスを感じていた頃。
湯水のごとくアイデアが沸いてくるタイプを見てみると、とにかく好奇心旺盛。自分が知らないことがあると気になるので(たいしたことで無くても)すぐ調べるし、普段からテレピや雑誌等で(一見、何の役にも立ちそうもないものまでも)こまめに情報を得ている。
要は、ふだんから幅広い大量の情報を頭にインプットしているから、いざという時に、それがどんどん繋がっていって、言葉やひらめきとなってアウトプットができるのだ。
柔軟な発想やアイデアを得るには、まずは情報収集からだ、と、プランナー時代は、とにかく意識してアンテナを張り巡らせ、情報を得る努力をしたものだ。
街を歩く時、旅行に出かけた時、カフェや電車の中までも。とにかく「見る」「聞く」。そして、気になったものは「手に取る」「聴く」「食べる」「行ってみる」etc。
「情報収集」という意識を持って歩くと、いつもと同じ道が、少し、変わって見えてくる。脳に課題を出しておくと、同じ店に行っても、ちょっと違って見えてくるから面白い。
「こんな看板、前からあったっけ?」「この店のユニフォーム、こんなにお洒落だったっけ?」「こんなフリーペーパーあったっけ?」etc、これまで、本当に目を開けていたのかと自分で思うほど、そこには、たくさんの情報が溢れていた。
そうやって情報をたくさんインプットして、脳に宿題を出しておいたら、後は、「ひらめき」がきっとくる!と自分を信じること。(^^)
アイデアが次々と沸いて来て、溢れ出て困るくらいのイメージをしておくと、きっと「ひらめき」はやってくる。
【gorap語録】
本当に、ちゃんと、目を開けてますか?。
2008.10.01
■マッチ
お陰さまで、【黒もみじ】が、好調だ。
元旦から発売以来、コンスタントに毎月3万個を売上げ、8月はお盆の帰省を機に空港や広島駅、デパート等での売り上げが伸び、最高の4万個を売り上げた。m(__)m
よく成功要因を聴かれるが、【黒もみじ】については、(1)商品自体の特徴(2)製造販売会社との関係この2点が大きく影響している。
【黒もみじ】の特徴は、「黒い色」「健康志向」「本物(素材にこだわりあり)」という点。
ブームに便乗した「黒い食品」というインパクトに、「炭を食べる」という新しさを加えて話題性を呼び、更には「竹炭」が胃腸によく、健康志向の時流にマッチしていること、これを、誰もが「味を想像できる」であろう「もみじ饅頭」に入れるということで、安心感、信頼性を得たことが、成功に繋がった。
製造販売会社との関係も、成功要因の大きなポイント。
【黒もみじ】の企画を持ち込む際、「既に販路を持っている」「信じて任せてもらえる」という点が、我々からの、譲れない条件だった。
簡単そうだが、これを叶えてくれるところは、少ない。
それをOK頂ける会社との出逢いは、大きかった。
時流とのマッチ、提携先とのマッチング、全てのイメージが思い通りにマッチして生まれた【黒もみじ】。
現在、広島地域でのプロモーション企画をひと段落させ、お陰さまで、次は、全国に向けた発信が実を結びつつある。
全日空が全国の空港に置くフリーペーパー「SORANA」では11月号の表紙を飾るほか、他誌でのパブ掲載も続く予定。
小さな菓子一つ。
その成功が次なる商品開発に繋がり、【黒もみじ】とはまた違う顔ぶれが関り合い、新たなプロジェクトも立ち上げた。
小さな成功がもたらす力を、何倍にもして、幾つものプロジェクトを成功に導くことが叶えば、広島はもっと元気になる。
そう信じて、微力ではあるが、とにかく前へ進み続ける。
【gorap語録】
遠い夢に向けて、今、何をするのか。
2008.10.15
■真似る
学生時代、レストランのホール係としてアルバイトしていた時。
暇な時間にグラスを磨きながら、見習いのコックがキャベツの千切りをしているのを、眺めているのが好きだった。
キャベツを玉のまま、切れ味の良い包丁で、シャキシャキ刻んでいく。
来る日も来る日も、時間さえあれば千切りをしている彼が刻んだキャベツは、細くて柔らかくて、ドレッシングにしっとり馴染んで、本当に美味しかった。一つ年上だったので、彼はまだ20才だったはず。
小さな街には珍しい本格的なレストランだったが、厨房には2人だけ。板前見習いから転職してここに来た彼は、入社わずか半年だったが、ラッキーにも、シェフのアシスタントから鍋洗いまで、一通りの仕事を任せられていた。
鍋を洗う前に、シェフの作ったソースを舐めて味を覚えるというのはよく聞く話だが、スープを温める時の頃合や、ステーキをミディアムに焼く時の火から下ろすタイミング等、現場でしか学べない事は多い。
その、「現場で学んだこと」を、彼は「現場で実践して」自分のものにしていた。
アルバイトの私の「まかない」は彼の担当で、パスタやピラフ、時には、コロコロステーキなど、作ってくれる料理はどれも店のメニューばかりだった。シェフを真似ただけのその味は、お客様にはまだ出せないが、私にとっては美味しい夕食。少なくとも20才の男の子が作った料理とは思えない料理だった。
毎日毎日シェフの傍で、シェフのやり方を見て、そのアシスタントをしている彼だからこそ、できることだ。
今、多くの業界で、即戦力となる若者が必要とされている。デザイン会社、システム会社、企画会社、編集社etc。知識や技術だけでは、すぐには戦力にならない。だからといって現場のやり方を教えている余裕もない・・・。
であれば、現場経験のできる場をつくろう!
そんな思いで、「弟子入り型即戦力養成プロジェクト」を立ち上げた。
クリエーター志望の若者が、長期間、プロのクリエーターのオフィスで実際の仕事に関わりながら現場経験を積み、即戦力となるクリエーターを目指すもので、3ヶ月間、広島のトップクラスのクリエーターらが受け入れ先として無償で協力してくれる。
このチャンスを、ぜひ、多くの若者たちに活かして欲しい。
【gorap語録】
真の師は、本に書いてないことを教えてくれる。
gorap pick up!
【gorap語録】
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